もしかして彼は、寂しいのかしら?
ワガママを言ってまで誰かに甘えたり振り向いて欲しがったのでは?と思えた。
「あなた……もしかして……」
そう言いかけた瞬間だった。
ドカッとドアが思いっきり蹴飛ばされ開けられた。
中に入ってきたのは、社長だった。
「夏希。大丈夫か!?」
「社長!?」
良かった……助けに来てくれた。
レオンは、驚いた表情をするが社長は、そんなのお構いなしに
私の状況を確認するとレオンに近付きドカッと殴り飛ばした!!
「ぐっ……」
「お前……自分が何をしているのか分かっているのか!?
こんな犯罪な事をして俺の妻と子供に手を出すな!!」
こんなに怒りをぶつけてきた社長は、初めてみた。
怒る事があっても人に手を出したりしないから。
私は、初めて見る社長の怒りに驚いてしまう。
「……フフッ。お前が俺に手をあげるなんて初めてじゃん?
どうしてだよ……今まで彼女を盗ろうが平気だったくせに」
「当たり前だ。夏希は、他の女と一緒にするな。
こいつは、俺の妻なんだから」
社長……。
挑発してくるレオンに発言した言葉にとても温かく胸がキュンとなった。
「だとしたら、なおさら奪いたくなるじゃん。
お前の妻を……」
指を鳴らすと数人の黒いスーツにサングラスをかけた男達が現れた。
あれは、私と棗を誘拐した人達だわ!?
「レオン……お前……」
「アハハッ……絶体絶命ってヤツ?秀一。お前の負けだよ!」