しかも今夜の予定を聞いてくるし……。
とにかく今夜は、待ちに待った合コンの日だ。
邪魔される訳にはいかない。
「いえ。今日は、予定が……」
「…あぁ、そうなんだ。それなら仕方がないな。
よし。これは、OKだ!」
そう言うと何も無かったかのように書類を返された。
社長にしては、珍しく諦めが早い。
いつもなら嫌になるぐらいに粘るのに…。
何だか不信感を抱いてきた。
「……何だ?俺の顔に何かついてるか?」
「あ、いえ……何も」
まぁ今夜は、邪魔をされたくないので助かった。
下手にツッコむとバレるのでツッコまずに黙っておこう。
いい人を見つけて結婚をしたらあんな噂が無くなると思うし……フフッ。
そのためにも今夜の合コンは、頑張らなくちゃあ!
私は、密かに意気込んで合コンに望んだ。
そして仕事を終わらせると駅近くにあるお洒落な
居酒屋に向かう。すでにエリートそうな男性が数人居た。
「どう?なかなかのエリート達を集めたみたいよ」
「…うん。何だか緊張するわね」
「フフッ……気合い入るでしょ?」
香奈子も乗り気のようだ。
意気込んだけど、いざ目の前にすると緊張してしまう。
全員集まるとまず順番に自己紹介をすることになったのだが。
医者に弁護士。それと公務員まで仕事は、様々だった。
全員同じ名門大学らしいけど、よくこんなに集めたものよね?
そうしたら1人の医者をしている男性が隣に座ると
私に声をかけてきた。
「佐久間さんだっけ?君って秘書をやっているんだって」