「しかも、かなりの美形だから言い寄られるとなびく女性も多くてね。
だが、新堂がドライな態度で居るもんだから
余計にムキになってしまって、もうやりたい放題。
女性関係だけではなく一度俺も口説かれた事もあるし」
困った表情で言う田所様に驚いてしまった。
えぇっ!?それって……。レオンってあっちの趣味もあるの?
香奈子も慌てていた。
「涼太郎も?ちょっと……それってレオンってあっちの趣味もあるの?」
「いや。俺には、仲間としての勧誘だ!
その当時から新堂といつも一緒で仲良かったからな。
高校まで日本に居たし……レオン。
だから、仲間として引き込み新堂を追い込みたかったのだろう?自分が上だって」
「でも、どうしてそんなに新堂さんのモノを欲しがるのよ?
そんなの手に入れても仕方がないじゃない」
香奈子が疑問に言う。確かに……。
何故そんなに社長のモノを……?
すると田所様は、チラッと社長を見る。
社長は、ハァッ……とため息を吐いた。
「まぁ……あいつは、ガキの頃から俺に張り合ってきたからな。
理由は、知らんが……」
子供の頃から張り合う……?負けず嫌いなのかしら?
「でも、それなら心配いらないわ。
私は、そんなに簡単になびく女ではないもの」
私が好きなのは、社長だけだし他の女性と同じみたいに思わないで欲しい。
いくら美形だとしてもなびく気はない。
「あぁ……だからこそ心配なんだ。
そうなると、あいつの気持ちに火をつけるだろう」
「気持ちに火を……?」
意味が分からない。そんなに危険な男なのだろうか?
何だか余計に不安になってしまった。
不安の中。社長は、次の日から本当にしばらくホテルに泊まる事になった。
どうやら嘘ではないようだ。
「本当にそちらで泊まるのですか?」