秋晴れのよき日に、隣の席の袴田(はかまだ)くんが亡くなった。

 校則違反の金髪と黒の二連ピアスが目印で、他校の生徒と喧嘩が始まれば、必ず最前線にいる学校一の不良、袴田玲仁(れいじ)
 彼は今朝方、交差点を差し掛かった大型トラックの前に飛び出したのだという。

 その日から教室の一番後ろの席には、花瓶に飾られた白い百合と、彼の友人が持ち寄ったお菓子が置かれ、皆が彼の死を惜しんだ。

 彼とあまり関わりのない私は、彼の友人が涙ぐむ姿を冷めた目で見ていた。

 同じクラスとはいえ、所詮は挨拶をする程度の他人で、彼と共有した時間は一年もない。身近ながらも有名人だった彼の存在を、私はそんなに気にしていなかったのかもしれない。

 彼は幸せ者だ。こんなにも自分を慕ってくれる人がたくさんいたのだから。
 どうか安らかに眠ってほしいと、そう願った。

 ――はずだった。