気分が悪くなった訳ではないけれど…

もっとあなたと一緒にいたい…。

私は初めて自分の気持ちを優先するために嘘をつく。

「少し…気分が優れないです…」

「わかった…。どこか休憩できるような所があるか?公園とか…」

公園? 年相応の経験があるとか仰りながら、中学生みたいな事を言うのね…。

かわいいんだから…

「確かこの先に…小さいですけど…公園があったと思います…」

「そこまで歩けるか?」

いえ、無理です… 

なんて言える筈もないじゃないの…。

無理だって言ったら…どうするつもりなの?抱っこ?それともおんぶ?

「車で行くほどの距離ではないのか?なんならタクシーを呼んで、それ相当の距離の所にするか?」

車ね… そういう選択肢もあったわね…。

自分自身を見失っていて、そんな考えが浮かばなかったわ。

「あの…歩くのは…少し疲れました…」

「そうか…じゃあやっぱりタクシーを呼ぼう」

ごめんなさい…。

嘘なんです…。

全然疲れてなんかないの。

ただあなたと一緒にいたいだけ…。