「上杉くん…。そんな怖い顔しないでくれるかな？私もこんな役は引き受けたくなかったんだよ…本音を言うと、ね」

『こんな役』、とは。

私に異動の事実を告げる役、という意味ですか…。

「ですが課長以外に適任者はいないと思います」

「…それもそうだね…。フゥ…やはり君は単純に"はいそうですか"では済みそうにないね…」

「私じゃなくても同じ事です。理由を教えて頂けなければ、ここでの仕事振りに何か問題があったのかと疑心暗鬼になってしまいます」

「君の言う事は正論だ。わかった…。今からその理由を話そう。…ただし…君が希望した事だ、何を聞いても絶対に怒らないと…約束してくれるかい？」

「…それは…どういう意味でしょうか？」

「確約してもらえないと私も話せない」

「怒るような…理由だという事ですね？」