次は私の番?

「お母さん…。お兄さんの二の舞になるかもしれないけれど…、やっぱり私の人生だから必要以上に干渉されたくないの。今まで散々お世話になったのは認めるけど…お父さんが出て行けと言うなら、出て行きます…」

「綾子…」

正直に言って、おかしな電話に悩まされている現状で一人暮らしは恐ろしい。

父の言いなりになっていればこの家に踏みとどまれる。

でも私は…

怖いけど…その怖さと引き換えに自分の人生を差し出すのは嫌。

信念を捻じ曲げる事ができないなら…選ぶ道はただひとつしかない。

それは今まで従順だった私が初めて父に背く決意だった。