特別な対策が立てられないまま時だけは虚しく過ぎて行く。

おかしな電話は依然続いている。

最近は頻度も増えて、多い時は一日に十回以上の時すらあって。

一度留守電を聞いてしまい、その内容に恐怖と嫌悪感を覚えた。

無言だった初期と違って声が入っていた。

声といっても誰かはっきりとわかるようなものではなくて…

吐息だったり、淫らな呼吸の音だったり…

最後の方は小声で、…いやらしい言葉まで入っていて…

思わず携帯を投げつけてしまいたくなる程だった…。

そんな状態で私は心が折れそうになるのを必死に堪えていた。

それからの私は家に帰ったらすぐに携帯の電源を落とし、なるべく気にしないようにして過ごした。

大好きな小説もイマイチ頭の中に入ってこないけれど、何もしていないとロクでもない事ばかり考えてしまうから眠くなるまで毎晩読み漁った。

休日は小説を読みながらお気に入りの紅茶を飲んでリラックスする。

そういえば、そろそろお気に入りの紅茶が切れるわね…。

気分転換も兼ねて買いに行こうかしら…。