今はまだなんの証拠もないし、単に私の想像に過ぎない。

でも考え始めると、その想像があたかも真実であるかのように襲いかかってくる。

想像が現実のものだと思うと恐怖がより鮮明になる。

過去に経験した事のない程の恐怖が…

もう自分一人で抱えているのは苦しくて、誰かに相談しなければ対処出来ない。

誰かって…

誰に?

厳しい家庭環境の中で育った私には親しくしている友人などいない。

異性は勿論、同性の友人との付き合いですら厳しく監視されていたから…。

こんな時相談出来るような心当たりは全くない。

それが私の恐怖を増幅させる。

そうだ…。

課長に…

あの人に、話してみようかしら…。

上司なんだから、仕事の行き掛かり上で発生したトラブルを対処するのも役割な筈。