「お疲れ様です、今日も宜しくお願い致します」

そう言って頭を下げると早速台車にカートンを移し替え始める。

「落合さん、いいですよ!私がしますから!」

「遠慮しないで下さい!女性がこんなに重い物持たなくていいですから!」

「でも、私の仕事ですから」

「今日はビールフェアのディスプレイもあるんで、上杉さんにはそちらをメインにお願いしたいんですよ!だからこっちは俺がチャッチャとやっちゃいます!」

そうね…

出来れば…
チャッチャと私の視界から消えて欲しいわね…。



私はいつもどのお店でもそうしているように、来客用のコインロッカーに私物を入れた。

どこのお店も一旦硬貨を入れて施錠した後、出す時にまた硬貨が戻って来ると言うロッカーを設置している。

私も作業用の上着を羽織る為元々着ていた上着とバッグはロッカーに預けている。

準備態勢を整えて売り場に行くと、既に陳列を始めている落合の姿を確認する。

黙々とやってるわね…。

私はゆっくりと落合に近づいて言った。

「特設売り場の方を仕掛けていますので、こちらはお願いしても宜しいですか?」

「もちろんです!お任せ下さい!」