今では私が頼まなくても向こうから台車を貸してくれて積み込みから陳列まで手伝ってくれる。

ちょっとだけ微笑んでお礼を言うだけで、せかせかと蟻のように働いてくれる。

こういう時は自分の容姿に感謝よね…。

でもその利点が時として仇にもなるのは、過去にも経験した事がある私。

適度にしていないと墓穴を掘る。

特に…

今担当しているスーパーマーケットの担当者には…。

落合(おちあい)というその担当者に気に入られているという自覚はなんとなくあった。

見るからに私の為に頑張ってるというアピールをしてきたり。

訪問時は毎回出迎えと見送りまでされたり、必要以上に話しかけて来られる事にも辟易していた。

でも私にとっては単なる得意先の一つという以外の何物でもない訳だから、適当に愛想を振りまいて終わらせていた。

なるべく彼の勤務と被らないようにしたいのだけれど、こちらから彼のシフトを確認なんてしようものなら本末転倒になる可能性大。

他の顧客は大体訪問する曜日を固定してるのに対し、ここだけランダムに訪問する事にしているのは彼となるべく顔を合わせたくないから。