「それで…お話っていうのは?」

切り出した兄に居ずまいを正す。

「あの…私が具合が悪かった際に、言いそびれてなんと今日まで来てしまいました。まずはそのお詫びを…」

「あぁ…完全に忘れ去られてるなぁとは思ってましたよ」

「申し訳ありません…」

「で…結局どうなったんですか?」

「あ…あの…綾子からは何か…聞いていらっしゃいますか?」

「生憎綾とは絶縁してるんでね。連絡とってないんですよ」

「えぇ!?そうだったんですか!?」

「はい。アイツがいつまでもウジウジして、ワガママばかり言うからね。いい加減にしろって怒鳴ったんです。もうお前の相談には乗らないって。俺は安曇野さんの味方だからって」

「そんな事が…」

綾子からは何も聞いていなかったとはいえ、兄がそこまで俺に肩入れしてくれていた事に驚いた。

そして同時に心の底から感謝した。