善は急げだ。
俺は翌日を決行日とした。
まずはショートメールで兄にメッセージを送る。

『ご無沙汰してしまい申し訳ありません。今更ですがご説明させて頂きたくお時間を頂戴出来ませんでしょうか?』

するとほどなくして兄から返信が来た。

『明日はバイトが休みなので良かったらうちで話しませんか?安曇野さんの都合のいい時間に来て下さい』

やった…!
とりあえず約束は取り付ける事が出来た!

仕事中に時間を作る事も出来ないではないが…
ここは仕事を終え、気持ちを真っさらにした状態で会わなければ失礼に値するだろう。

『明日、仕事が終わり次第伺います。綾子にはご内密に願います』

『了解しました。お待ちしてます』

綾子に内緒ごとはしたくなかったが、後からきちんと説明するつもりだ。
彼女には仕事先の人と食事をするから遅くなると言い、俺は翌朝家を出た。