結局課長の宣言通り、着任翌日からは一人で外回りに出る事になった。

私は毎日毎日、それこそ雨の日だろうが風の日だろうが車を運転して重たいビールを運んでいる。

しかも、その車は軽トラック…。

乙女の運転する車としてはどう?

二十四缶のビールが入ったケースは重たい事この上なし。

はぁ…
お陰で腕も足も筋肉がついちゃったわよ…。

これでもうハイヒールは履けないわね。

筋肉隆々のふくらはぎに、細くて高いヒールのパンプスなんて似合わない。

どうせ今は仕事ではパンプスすらも履いていない。

明らかに運動靴ではないけれど、足に負担のかからないシューズを履いている。

しかも作業着まで着て。

今まで人事部にいたから当然知らなかったけれど、うちの会社の作業着のなんとダサい事か…。

厳つい男性しか似合わなさそうな代物。

利便性が最優先なのは仕方ない。

でも、もう少し…

なんとかならないのかしら?