俺は綾子の不安を取り除く事と彼女の美しさを際立たせる為、ホテルのブティックで全身をコーディネートしてもらった。

そしてエステで簡単ではあったが施術してもらい、美容院で髪をセットしてもらった。

「もう…直人ったら…ここまでしなくても良かったのに…」

「綾子…。いつもにも増して綺麗だ…。眩しすぎる…」

「だって…エステしてヘアセットして、この高級なお洋服と靴とバッグ…。誰がやっても綺麗になるわよ…」

「素材が良くなければいくら着飾っても無駄だ。素材がいいから全てのものが映えるんだ。どんな高級なものでも君の引き立て役に過ぎない」

二人で恥ずかしい会話を展開していると、ブティックの店員が笑顔で話しかけてきた。

「本当に…ため息が出ますわ…。奥様のお綺麗な事といったら…。これもご主人様の愛情の賜物ですわね」

「恥ずかしいがその通りです。妻を美しくしてくれるものは大歓迎だ」

「まぁ…。本当にお熱いですこと…」

「直人…もうその辺で…」

綾子はバツが悪そうに俺の耳元で囁いた。

支払いを済ませ、頼んであったものを取りに再びエステサロンへ向かった。