「今までは営業が誰よりも偉いと勘違いしてるヤツが多かったって事だ。確かに営業はうちの花形だし、彼らの動きなくしては今のうちはあり得なかった。だがそれで慢心した結果がこれだ」

そうよ。
そしてそれはあなたにも言える事だわ。

私は課長に気付いて欲しい気持ちもあって、発言した。

「いつまでも謙虚さを忘れちゃいけないって事ですね…」

「その通りだ。自分一人の功績じゃない。その陰には管理部門の人だったり、ここの社食の人だったり、たくさんの人たちの見えない力が働いてるんだ。全員の力が合わさって初めて結果が出ると俺は思ってる」

ふーん…。

考えてる事は一応まともじゃないの…。

でもそんな考えでいるあなたの部下は、何故慢心したのかしら?

その時伊藤さんがおかしな表情をしているのに気付いたのか、課長は言いたい事があるなら言っていいと促した。