あなたはいつもいつもそうやって私を救ってくれる…。
疑心暗鬼になっていても、それが晴れるまで誠心誠意尽くしてくれる…。

「それに、アイツ…。桜井なんかの言葉と俺の言葉は比べるべくもないだろう…。なんでアイツの言う事は素直に信じられた?」

「だって…あの人本当に綺麗で自信満々で…堂々としていて…敵わないって思ってしまったんだもの…」

「それはアイツの張ってる虚勢だと何故わからない?アイツが君を陥れる為にわざと仕組んだんだ。アイツだって失敗もするだろう。そこまで完璧な人間なんていないんだぞ?」

「それは…わかってるわ…」

確かに桜井さんは同性の私から見ても敵わないと思ったけれど。
あなたの言う通りそれがどこか白々しさを孕んでいる事も感じていた。
彼女は虚勢を張る事で彼女自身を守っているのかもしれない。

「綾子…君はアイツが綺麗だと言ったが、あれは絶対に化粧の賜物だ。綾子のように素顔が美しい人とは訳が違う。君の美しさは外見だけじゃなく、内面の輝きも手伝っている自然なものだ。それに比べてアイツのは人工的な造りものだ。その差は歴然だろう?」