「だったらそれはお前が至らなかったからだ。お前が彼女にこれ以上出来ないくらい愛情を示したと思えるなら…彼女を信じろ。それで彼女が戻って来ないのなら、それはお前が悪いんじゃない。お前の気持ちを感じられなかった彼女が悪いんだ」

「彼女が…悪いなんて…」

「そうなんだよ。お前が自信持って愛を注いだと言い切れるなら、それを理解出来なかった彼女の方に非がある。だからお前は自分を責めるなよ?」

「成田…」

「お前が今回の事を自分のせいにしてしまったら…今後そのトラウマから抜け出せなくなる…。そうならないように俺は全力でお前を救うがな」

「ありがとう…成田…」

「ダチだろ、俺ら」

「あぁ…。そう…だな…」

「ったく…お前を泣かせる女ってどんな女だよ…。いいか、安曇野。元さやに収まったらいっぺん彼女を連れて大阪来い。お前が惚れぬいた女のご尊顔を拝んでやろーじゃねぇか」

「そんな未来が来れば、の話だがな…」

「バカ野郎!お前が信じねぇでどうすんだ?信じろ、信じられなきゃ今すぐこの場で諦めろ!」

大きな声を出した成田を驚愕の思いで見つめた。
成田の目にも…涙がうっすらと光っていた…。

「すまん…。お前の言う通りだ…。信じるよ、俺と…彼女の縁を…」

「わかりゃいいんだよ」

それから俺は成田を見送り、また連絡すると言って彼と別れた。

そうだ。
アイツに鼓舞された通りやってみるしかない。

俺は揺るぎない決意の中にいた。