「彼女を忘れる為には、別の女だよ。金払って後腐れない女だけどな。それで忘れる事は出来ないだろうけど」

「無理だ…それこそ彼女と永遠に会えないなら…不能になった方がマシだ…」

「ならいっそ、頭丸めて坊主になれ」

「え?」

「厳しい修行僧になれって言ってんだよ。それで悟りを開けよ」

「お前…他人事だと思って…」

「所詮他人事だよ。だってそうだろ?俺は神や仏じゃないんだ。お前にベストなアドバイスなんて出来る訳ない。どんなアドバイスをもらっても、それを実行して失敗したらまた考える。転んでも転んでも立ち上がらなきゃダメなんだよ」

「まさに七転八倒だな…」

「違うよ。七転八起だ」

「細かい事言うな…」

「お前が倒れたまんまでいいんなら七転八倒でもいいけどな。起き上がんなきゃ意味ねーだろ」

「…そうだな…。起き上がれるかな…」

「ったく…何弱気な事ばっか言ってんだよ!そんなに辛いなら今から女探しに行くか?俺の知り合いで後腐れねーヤツいっぱいいるぜ?」

「お前…まだそんな事やってんのかよ…」

「当たり前だろ?男はな、定期的にスカっとさせなきゃダメなんだよ。仕事だってうまくいかねー」