俺はあの日の事をそれこそ事細かに説明した。
コイツには変に隠し立てをするよりその方がいいと思った。
それは同時に俺がそこまで切羽詰まっていたともいえるのだが…。

俺の話を聞き終えた成田はぬるくなったビールを飲み干してから言った。

「ま、彼女がお前の過去にヤキモチ妬いて拗ねてるって事だな」

「ただ拗ねてるだけじゃないだろう。別れてくれって言われたんだぞ？」

「うーん…。それは本音じゃねーな。お前を試してんだろ」

「試す？何を？」

「だから、お前が本気で彼女を失いたくないと思ってるかどうかだよ」

「…そんな…そんな事は試すまでもない。俺は彼女がいなければ生きていけない。それは彼女にも言ったのに…」

「口で言われただけじゃ信じらんねーんだろ。彼女はお前が初めてのオトコなんだろ？そういう女によくあるパターンだ」

簡単に分析して断言する成田についていけず、俺は聞き返した。

「そうなのか？よくあるパターンって…なんだ？」