成田稔。
俺の元同期で現在大阪でゲーム会社を経営している男。
ヤツは新入社員の時から色んな意味で目立っていた。
明るい髪色、砕けたスーツ。
それだけでもコイツがよくうちの会社に入れたもんだと思っていた。
それもその筈。
成田はパソコン操作の技術が卓越していて、エンジニアとしてうちの会社のシステム部に配属されたのだ。
そもそもどうして専門技術を持っているのにそういう専門の仕事をしないのかというと、
「お前、SEが過労死してるって知らねーのか?」
と一蹴された。
確かに過酷な労働時間を強いられ、それが原因で病気になったり亡くなったりしている事はニュースでも騒がれているから知っている。
でも一途に勉強してきたならそれを生かしたいと思うだろう。
だが成田にはそういった拘りが全くと言っていいほどなかった。
「俺はね。自分の能力の一部だけを使いたいのよ。全部使ってみろ。早死にするじゃねーか」
「会社から給料をもらっている以上、能力以上の仕事をするのは当たり前だと思うが?」
「ほんっとに安曇野は真面目だよな。会社の為に命削ってどうなるよ?自分の人生会社に捧げるなんて俺はまっぴらごめんだね」
「そんな考えで仕事するなんて…俺には無理だ」
「ま、いいんじゃねーの?お前はお前のやり方で」
俺の元同期で現在大阪でゲーム会社を経営している男。
ヤツは新入社員の時から色んな意味で目立っていた。
明るい髪色、砕けたスーツ。
それだけでもコイツがよくうちの会社に入れたもんだと思っていた。
それもその筈。
成田はパソコン操作の技術が卓越していて、エンジニアとしてうちの会社のシステム部に配属されたのだ。
そもそもどうして専門技術を持っているのにそういう専門の仕事をしないのかというと、
「お前、SEが過労死してるって知らねーのか?」
と一蹴された。
確かに過酷な労働時間を強いられ、それが原因で病気になったり亡くなったりしている事はニュースでも騒がれているから知っている。
でも一途に勉強してきたならそれを生かしたいと思うだろう。
だが成田にはそういった拘りが全くと言っていいほどなかった。
「俺はね。自分の能力の一部だけを使いたいのよ。全部使ってみろ。早死にするじゃねーか」
「会社から給料をもらっている以上、能力以上の仕事をするのは当たり前だと思うが?」
「ほんっとに安曇野は真面目だよな。会社の為に命削ってどうなるよ?自分の人生会社に捧げるなんて俺はまっぴらごめんだね」
「そんな考えで仕事するなんて…俺には無理だ」
「ま、いいんじゃねーの?お前はお前のやり方で」