本当は言いたい事が次から次と溢れているのに、涙のせいでどもってしまう。

「あっ…綾子っ…!」

そして綾子は優しく俺に口づけをしてくれた。

「ねぇ…明日はここから出勤しましょう?」

「えっ…?」

「朝まで…まだ時間はたっぷりあるでしょう?」

消え入りそうに言う綾子に愛しさが募る。

もう…どうなっても構わない、とさえ思う。

その滾る熱情を俺は再び綾子にぶつけた。



だが…

それは早急に打ち切られる結果となってしまった。

綾子はどこに引っ掛かりを覚えてしまったのだろう…。

突然俺に背を向け、身繕いしたのち無表情でソファに座った。

俺は事態がうまく呑み込めず、唖然としたまま微動だに出来ない。

すると綾子は冷静になった声で言った。