「綾子…行き先変更。ここのホテルに部屋を取りたい」

「えぇ?」

「嫌か?」

「…嫌じゃ…ないけど…」

「家までは我慢できそうにない」

「クスッ…。直人くん、お父さんに許してもらった途端、大胆ね」

「君はそうじゃないのか?」

「それは…私も…嬉しいけど…」

「けど?」

「ちょっと疲れちゃって…もしかしたら…寝てしまうかもしれないわ…」

「寝てしまったらそれはそれだ」

「うーん…」

悩む綾子は結論を保留したままだ。

チ…ンッ!

そうこうしているうちエレベーターが地下に着いてしまった…。

「綾子が嫌なら無理強いはしないよ。今日はこのまま帰ろう」

「えっ?」

「なんだ?どっちが本音なんだ?」

「このまま一緒に歓びを分かち合いたいけれど、眠気にも誘惑されて…迷ってしまうわ…」

性欲と睡眠欲の狭間で揺れ動いてるって訳だ…。

俺か睡眠か…

まさかライバルが睡眠とはな…。
これはもう笑うしかない。

「ハハ…君は本当に…一緒にいて楽しいよ…」

「どういう事?私何か変な事言った?」