突然綾子が俺に抱き着いて言った。

「大丈夫よ…。リラックスしてる直人くんも…きっと素敵よ…。それに、直人くんの普段着姿…すごくカッコ良くて…。見惚れちゃったもの…」

あ、そうか…。
それで綾子はあの時ちょっと戸惑った様子だったのか…。

「綾子…」

彼女の顎を持ち上げ、口づけをする。

「直人くん…大好き…」

「俺もだ…綾子…」

「ねぇ…私たちって誰がどう見てもバカップルよね?」

「それも悪くない」

俺たちは二人で笑い合い、ゆっくりと夜を過ごした。

これまでの人生で女性にここまで溺れる日が来るとは思ってもみなかったが、綾子に言った通り、そういうのも悪くないと本気で思う。

今まで付き合った女性にそこまで溺れなかったのはきっと、運命の相手ではなかったのだと今ならはっきりと言える。

それくらい…
綾子に対する俺の思いは格段の差があった。