長髪(ながかみ)を後ろの低い位置で一つにまとめた彼女の髪をそっと前へ垂らす。
露わになった白い首筋とうなじが、脳髄を遠慮なく刺激した…。

マズイ…。
久しぶりに昂りそうだ…。

俺はなるべく見ないようにしようとしたが、ネックレスをつけてやるという行為の前ではそんな努力はまるで役に立たない。

しかも留め具に触れれば必然的に彼女の肌にも触れてしまう。
指が少し当たっただけだというのに、もう俺の体中の血液が逆流したように暴れ出す。

思わず俺は後ろから綾子の首筋にキスをした…。

「あっ…」

咄嗟に出た声に俺の防波堤が決壊しそうになった。
そのまま後ろから抱き締める。

「見ないの?折角のプレゼント…」

「見なくてもわかる…。君だけの為に存在するネックレスだ」

「クスッ…。甘すぎ…」

甘いのは君の方だぞ、綾子。

君という(かぐわ)しい甘い匂いの花に、俺は蜂になったかのように吸い寄せられているのだから…