「そうだ…。綾子に渡したいものがある…」

俺はそう言ってそっと彼女から離れ、紙袋を取りに行く。
彼女の元へ戻り紙袋から取り出した箱の蓋を開け、ネックレスを取り出した。

「それは…?」

「君に…俺の想いをどうしても形にしたくて…」

「キレイ…」

「一目見て気に入った。まるで綾子のように可憐で美しくて…純粋に輝いている…」

「褒め過ぎ…」

「言ったろ?俺はお世辞は言わない」

「でも…すごく…高そう…」

「綾子に似合うものには値がつけられない」

「あの…すごく甘やかされてる気がするんですけど…」

「嫌か?」

「…ううん…。嬉しい…。甘えていいのね?」

「勿論…いくらでも甘えてくれ…。綾子の為に俺という人間が存在している。君の為なら…どんな俺にでもなれるぞ?」

自分でも恥ずかしくなるような甘いセリフが次から次へと出てくる。
それも至って自然に…。

今までの俺なら絶対に考えられない。
それくらい俺は…綾子にイカレてしまっていた…。

「つけてみるか?」

綾子ははにかみながら頷いた。