私は何か悪い事を言ってしまったのかしら?

「上杉くん…。痛い所を突いて来ますね…」

「は?」

「無駄な時間はないので正直に言いましょう。今回の人選は私がしたのです」

私はその事実にまるでハンマーで頭を殴られたかのような衝撃を受けた。

一瞬にして心が体から乖離しそうになるのを必死に抑えつける。

この人が…

私が最も尊敬し、教えを乞いたいと切望しているこの人こそが、今回私をここから出すと決定した…。

堪えがたい事実に打ちのめされる…。

「何故…何故、課長が…」

声が震える…。

いけない、毅然としていなければ…!