守衛の所へ行き、会社名と氏名、訪問理由と時間を記入し、来訪者用の名札を受け取ってバックヤードに入った。
「いないようだな…」
「はい…」
課長はさっきの事などまるでなかったかのように今は仕事モード全開だった。
私も公私混同して油断していてはいけない。
今は課長への気持ちは押しとどめて、仕事に集中しなければ。
熊がいる可能性だってあるのだから。
四段積みの台車を組み立て社用車へ戻り商品を積み込む。
課長が台車を押して再び中に入る。
まだ熊の姿は確認出来ない。
もしかしたら…今日はいないのかも…。
店内に入りうちの会社のビールの売り場へ行くと、珍しく店長がいた。
課長が挨拶している間に私は商品を下ろし作業に取り掛かった。
「上杉くん、すまんがちょっと店長が見せたいものがあるとかで外す。大丈夫か?」
「はい…。今日はいないようですので…」
課長は私に頷きかけると店長とともに売り場から消えて行った。
必死に作業に明け暮れていて作業着に着替えるのを忘れていたと思い出す。
やっぱり着替えた方がいいわよね…。
結構量があるし。
いつものようにコインロッカーへ行くと
熊が、キョロキョロしながら立っていた…。
私にいち早く気付き近づいて来る。
全く足が動かず立ち尽くす私。
「上杉さん!もうお体の方はいいんですか!?」
笑顔で近づいて来る熊に返事も出来ないまま、強ばった表情で後ずさりしてしまう。
「上杉さん…?」
「あっ、あの、私、忘れ物しちゃいました!ちょっと取りに行って来ます!」
咄嗟に思い付いた苦し紛れの言い訳をし、私は踵を返して走り出した。
「いないようだな…」
「はい…」
課長はさっきの事などまるでなかったかのように今は仕事モード全開だった。
私も公私混同して油断していてはいけない。
今は課長への気持ちは押しとどめて、仕事に集中しなければ。
熊がいる可能性だってあるのだから。
四段積みの台車を組み立て社用車へ戻り商品を積み込む。
課長が台車を押して再び中に入る。
まだ熊の姿は確認出来ない。
もしかしたら…今日はいないのかも…。
店内に入りうちの会社のビールの売り場へ行くと、珍しく店長がいた。
課長が挨拶している間に私は商品を下ろし作業に取り掛かった。
「上杉くん、すまんがちょっと店長が見せたいものがあるとかで外す。大丈夫か?」
「はい…。今日はいないようですので…」
課長は私に頷きかけると店長とともに売り場から消えて行った。
必死に作業に明け暮れていて作業着に着替えるのを忘れていたと思い出す。
やっぱり着替えた方がいいわよね…。
結構量があるし。
いつものようにコインロッカーへ行くと
熊が、キョロキョロしながら立っていた…。
私にいち早く気付き近づいて来る。
全く足が動かず立ち尽くす私。
「上杉さん!もうお体の方はいいんですか!?」
笑顔で近づいて来る熊に返事も出来ないまま、強ばった表情で後ずさりしてしまう。
「上杉さん…?」
「あっ、あの、私、忘れ物しちゃいました!ちょっと取りに行って来ます!」
咄嗟に思い付いた苦し紛れの言い訳をし、私は踵を返して走り出した。