いつもより2時間も早いせいか、玄関を出ると、少し肌寒く感じた。
いつもより、一桁多い額の切符を買い、いつもと違う方向の電車に乗る。
車窓には絵の題材になりそうな景色が広がっているが、それを撮ろうという気にはならない。
これも全て例のメールのせいだ。
そもそも乗り気ではないし、あの彼女のことだ。嫌な予感しかしない。
そんな中、
目的地の東京駅に到着したというアナウンスが、僕の思考を断ち切った。