久しぶりに雨が降ったあの日の放課後、僕はクラスのほぼ全員からの質問を流し終えた安心感と、疲労感で机に突っ伏していた。
午後5時のチャイムを聞いて、教室の電気を消し、靴を取り出し生徒玄関の脇で伸びをする。
ホームルームが終わって一時間ほど経過しているのと、考査期間中で部活が無いせいか、
生徒の姿はまばらだ。
バス停までの道のりの途中、信号待ちをしていると、斜め後ろから聞き慣れてしまった声が聞こえた。

『おつかれ〜。』
『何で君はそんなに元気なの?君も僕と同じように質問攻めされてたのに。』
『元気だけが取り柄ですから!』

彼女が無邪気に笑う。
こんな性格だったらどれだけ楽だろうかと
考えていると、また彼女が突拍子もない事を言い出す。

『ねぇ、連絡先教えてもらってもいい?』
『別にいいけど、返信するかどうかは気分次第だよ?』
『大丈ー夫!』
『分かったよ。』

と軽く答えて、僕は連絡先を
交換した。
その夜、ベッドに布団を敷いて、枕置き、身体を預けた瞬間、メールが届いた。