朝、目を開ける。手で目を擦り、その手で目覚ましを止める。体を起こしカーテンを開ける。
空はまだ少し暗い。スリッパを履いて洗面台へ向かい、顔を洗って初めて、朝だ、と理解する。
朝食を食べ、鞄を持ち、玄関の扉を開ける。

バス停で並んでいると、

『おはよう。また寝癖ついてるね。また徹夜?』

と君が声をかけてくる。内心(余計なお世話だ)と思いながら、

『気のせいだよ。』

と僕は返す。
最近、同じクラスの水原楓が、やけに絡んでくる。正直、放っておいて欲しいというのが本音である。