新大阪駅で在来線に乗り換え、大阪駅に向かう。改札を出て、少し歩いたところで、僕は彼女に聞く。
『どこに行くの?』
『う〜ん。』『ごめん、今何時?』
携帯で時間を確認し、答える。
『12時13分』
『それなら、お好み焼き食べよう!』
と彼女。
『たこ焼きじゃないんだ。』
と、冷静に指摘すると、
『あ、じゃあたこ焼きも食べに行く!』
との声が帰ってきた。
普段からそんなに食べない僕は、この返答を、
予想できなかった事を後悔した。
『なら、近くのお好み焼き屋調べるよ?』
と聞くと、
『ダメだよ。こういうのは行き当たりばったりが良いって相場が決まってるの!』
と彼女。
せっかくの休日を奪われたうえに、ギクシャクするのは嫌なので、とりあえず、
『分かったよ。』
と返しておくと、
『分かればよろしい。』
という声とともに、
彼女が僕を見下ろしてくる。
身長は明らかに僕の方が高いので、正確には、
(僕を見下ろそうとした。)
が正しいのだが、それを口にすると、
彼女の気を損ねるのが目に見えているので、
やめておく。
また少し歩いていると、突然彼女が立ち止まり、横に伸びた脇道の奥を見た。そこには、赤い暖簾に白い文字で“お好み焼き“、と書いてあった。店の壁に"鉄板鉄福"と書いてあるのを横目に見ながら、僕と彼女は暖簾をくぐった。
店頭で注文を済ませ、席で料理を待っていると、
『お冷やです。』
と、店員が水を持って来た。
店主と苗字が一緒だから、娘さんだろうか。
『何頼んだの?』
と彼女に聞くと、
『このオススメのやつ!』
という、ほぼ予想通りの返答が返って来た。
『君は何を頼んだの?』
『僕は、豚玉ってやつかな。』
と答えると、
『普通だね。』
と彼女。
何を根拠に普通としたのかは分からないが、
とりあえず、先程の(関西といえば)のような感じなのだろう。
『お待たせしました。』
『豚玉と牛筋豚玉の卵乗せになります。』
僕のこれとは比べ物にならない大きさにうろたえる僕を横目に、彼女の目がキラリと光った…
気がした。
『母さんおかえりー!』
厨房の奥から、さっきの店員の声が聞こえてきた。
『親子で切り盛りしているのかな?』
彼女に聞くと、
『そうだね…』
とだけ帰ってきた。
さっきとは違って声が少し暗い気がする。
気のせいなのだろうか…
昼食を食べ終えた彼女が
『そろそろ行こっか。』
と僕に言うので、
僕は、
『お会計お願いします。』
と言って席を立つ。
店員に料金を払い、僕らは店を出た。
『どこに行くの?』
『う〜ん。』『ごめん、今何時?』
携帯で時間を確認し、答える。
『12時13分』
『それなら、お好み焼き食べよう!』
と彼女。
『たこ焼きじゃないんだ。』
と、冷静に指摘すると、
『あ、じゃあたこ焼きも食べに行く!』
との声が帰ってきた。
普段からそんなに食べない僕は、この返答を、
予想できなかった事を後悔した。
『なら、近くのお好み焼き屋調べるよ?』
と聞くと、
『ダメだよ。こういうのは行き当たりばったりが良いって相場が決まってるの!』
と彼女。
せっかくの休日を奪われたうえに、ギクシャクするのは嫌なので、とりあえず、
『分かったよ。』
と返しておくと、
『分かればよろしい。』
という声とともに、
彼女が僕を見下ろしてくる。
身長は明らかに僕の方が高いので、正確には、
(僕を見下ろそうとした。)
が正しいのだが、それを口にすると、
彼女の気を損ねるのが目に見えているので、
やめておく。
また少し歩いていると、突然彼女が立ち止まり、横に伸びた脇道の奥を見た。そこには、赤い暖簾に白い文字で“お好み焼き“、と書いてあった。店の壁に"鉄板鉄福"と書いてあるのを横目に見ながら、僕と彼女は暖簾をくぐった。
店頭で注文を済ませ、席で料理を待っていると、
『お冷やです。』
と、店員が水を持って来た。
店主と苗字が一緒だから、娘さんだろうか。
『何頼んだの?』
と彼女に聞くと、
『このオススメのやつ!』
という、ほぼ予想通りの返答が返って来た。
『君は何を頼んだの?』
『僕は、豚玉ってやつかな。』
と答えると、
『普通だね。』
と彼女。
何を根拠に普通としたのかは分からないが、
とりあえず、先程の(関西といえば)のような感じなのだろう。
『お待たせしました。』
『豚玉と牛筋豚玉の卵乗せになります。』
僕のこれとは比べ物にならない大きさにうろたえる僕を横目に、彼女の目がキラリと光った…
気がした。
『母さんおかえりー!』
厨房の奥から、さっきの店員の声が聞こえてきた。
『親子で切り盛りしているのかな?』
彼女に聞くと、
『そうだね…』
とだけ帰ってきた。
さっきとは違って声が少し暗い気がする。
気のせいなのだろうか…
昼食を食べ終えた彼女が
『そろそろ行こっか。』
と僕に言うので、
僕は、
『お会計お願いします。』
と言って席を立つ。
店員に料金を払い、僕らは店を出た。