夜ご飯の献立は鮭のホイル焼きに、レトルト調味料でカンタン、豚バラ大根に豆腐サラダ。

ネクタイを取り、襟元をゆるめたワイシャツにエプロン姿の千秋さんはそれはもう、愛らしくて愛らしくて。ご飯をおかわりできるくらい可愛い。

ダイニングテーブルを囲んで、ネットニュースやセルドォルの話題も普段どおり。後片付けを済ませたら、窓際のリラックススペースで人間をダメにするビーズクッションに埋まり、二人でテレビ観るのが至福のひとときだった。

食器洗いは食洗機にまかせ、人間がダメになる前に昼間のケリをつけるべく、見えない鉢巻きをぎゅっと結び直す。

「ちょっとお話があります」

テレビの前じゃなくテーブルに腰掛けるよう促したあたしに、一瞬千秋さんは怪訝そうな表情を浮かべ、イスを引いた。

「・・・どうかしたの?」

「しました」

「何かあった?何でも聞くから、僕にはぜんぶ話す約束だよ?」

心配そうな眼差し、真剣な口調。どうやらハタメグミさんは、千秋さんには正直に懺悔できなかったらしい。