「初めまして、羽田(はた)恵美(めぐみ)といいます。町田課長にはいつもお世話になってます」

「あッ、町田紀子です。ご丁寧にアリガトウゴザイマス」

変に緊張してるのは、千秋さんの名前に泥を塗るよーなヘマをしまいと気負ってるからで!

ハタメグミさんの睫毛が弧を描き、口の端で薄く笑んだ。

「プライベートでもお付き合いしてるので、一度ご挨拶したかったんですよ」

「プライベート?」

「課長は、姪御さんに話すのは気が引けたみたいなんですけど。将来の為を思って内緒で来ちゃいました」

来ちゃいました。少し高めのトーンが耳の奥で不気味にエコーした。