「・・・はい」

『結婚して』って、どうせなら千秋さんから言ってほしかった。欲しかったけど、そこはもうゼータク言わない。言わないからYESって絶対言わせ、・・・ん?

「こんな僕でいいなら、一緒にいさせて下さい。頑張って長生きするから」

体を起こした千秋さんがベッドの縁に腰掛けて、恥ずかしそうに微笑んでる。・・・えっと、じゃあ。

「結婚・・・してくれるんデスカ?」

「うん。紀子が寂しくならないように、にぎやかな家族を作ろうね」

「ホントに?聞き間違いじゃない?!」

「間違いじゃないよ。・・・愛してる」

千秋さんの顔が覆い被さるように近付いてくる。誰ともしたことないのに本能で目を瞑って。

唇に押し当てられた初めての感触。ファーストキス。大好きな人との。