首っ玉にかじりついてた腕に、知らず力が入り過ぎてるのも気付かなかったあたし。呻き声に慌てて降参のポーズで固まる。

「ご、ごめんね千秋さんっっ、大丈夫ッ?!」

「・・・・・・うん。大丈夫」

顔を埋めたまま、あたしに覆い被さった体勢で弱弱しく返った。

千秋さんの重みをこんな風に受け止めるなんて初めて。心地いいのと心臓が落ち着かないのとで、急に戸惑いが大爆発。でも、どいて欲しくない。なんかワケ分かんない感情が昂ってきてる。

「・・・きぃちゃん」

「ハ、ハイッ?」

響く、素っ頓狂にひっくり返った声。

「僕はどうしたらいい・・・?」

千秋さんがどんな顔して言ったのか。見えなくて、胸がぎゅっと締め付けられた。