「きぃちゃん、起きなさい」

耳にっていうより脳に直接ひびいて聞こえた。いつもより低くて、いつもよりはっきりしたトーンで。

「・・・なぁに~、ちあきさぁん・・・?」

自分の部屋のベッドで起こされたと思ってた。シーツの肌触りも違う気はしてたけど、まだ寝ぼけてた。

「着替えて、きぃちゃん。僕と帰るよ」

きがえ・・・?かえる・・・?かえるって・・・どこに~~?

「紀子!」

「ふぁいッ・・・??!」

耳許でした男らしい声に一気に覚醒。ぱっちり目を開ければ、真上から愛しい千秋さんに見下ろされてる。