高速を降りて市街を走り抜けてく真っ赤なポルシェ・・・じゃない、黒のSUV。途中、縁結びって大きく宣伝された神社の看板を目ざとく見つけて、寄り道してもらった。

有名だったのか、境内には中高生やら婚活世代やらの女子がわんさかいて、恋みくじを指定の結び所に結んでる。

「紀子も引けば?」

ハルトさんにも勧められたから、エイッと念を込めて。

「末吉ですー」

なになに、出会いは人より遅いけど必ず来る?恋愛は、過去を振り返るな、今を大事に?・・・千秋さんの分を引いたカンジ??

「ハルトさんは引かないんですか?」

「んー?オレは神サマと仲悪いからなー」

笑いながらあたしの手からおみくじを取り、高い場所に結んでくれる。

「写メ取ってチアキさんに送ってやりな」

おみくじが房になってる前で二人一緒に自撮り。ハルトさんの顔が真横にあって、なんかいい香りがした。

あんまり仲良さそうに写っちゃって気が引けたけど、千秋さんにメッセージ付きでラインしてみた。すぐに既読になって返事まで。

“お似合いだよ”