途中、大きなサービスエリアに寄ってご当地名物をあれこれ楽しんだり。お土産だけじゃなくて野菜やら売ってるし、まるでショッピングセンターみたいな賑わいで。

ハルトさんにそれとなく目的地を訊いてみれば。

「んーまあ気分次第」

決めてあるような無いような。

「もうしばらく走ったら下に降りる。なんか看板見つけて、行ってみたかったら遠慮しないで言いな。どこでも連れていきますよ、お嬢サマ?」

「あ、ハイ。ありがとうございまふー」

濃厚ミルクの絶品ソフトクリームに集中しながらの返事。

「紀子、クリーム付いてる」

フードコートの小ぶりなテーブル越しにハルトさんの腕がすっと伸びてきたかと思うと、あたしの口の端が男っぽい指で拭われる。料理でも味見するみたいに、そのまま自分の指を舐め取った仕草に思わず釘付け。

「甘くね?」

・・・・・・千秋さん以外の男の人にしてもらうの初めてで。なんかちょっと気恥ずかしかった。