思わなかった話の方向。もっと踏み込んでもいいのか惑いながら、たぶん二人きりじゃなかったら訊けなかった。

「彼女さんもその・・・、やっぱり呪いがかかっちゃってるんですか・・・?」

おずおずと。

「オレの兄貴が病気でどうにもなんなくて、まあしょーがなかったんだよ。・・・で、代わりにウチ継げって聞かない女がね、オレが継いだら結婚するの一点張り。ゼンブ兄貴の為だって分かってて、嬉しがる男がどこにいるんだかな」

案外ヘビーそうな家庭の事情をさらっと明かしたハルトさんは、「なかなか手強いだろ」と横目を流す。

「意地張ってねーでさっさとオレに惚れりゃいいのに」