車は、いつも由里子さんを送ってる赤のスポーツタイプとは違う黒のSUV。スタイリッシュなインテリアで、イケメンさんの男っぷりがさらに増し増し。

「チアキさんておっかないな。笑いながら刺されるかと思った」

走り始めてすぐに、ハンドル操りながらハルトさんが小さく吹き出す。

「愛されてんねお前」

「そりゃあもう鬼のように姪っ子一筋ですからねぇ」

「そう見えてるなら逆にすげーよ」

「??」

キョトンとしたあたしに、可笑しそうに口角を上げたハルトさん。

「ところで今日のデートはオレに任せてくれんの?」

「任せる以外の選択肢がないです」

キッパリ。