つい一週間前に同じジムの歳上インストラクターに告白されたとかで、爽やかスポーツ青年のストライクゾーンも判明。・・・うん。なるほどあたしの魅力は『歳上』だったかぁ。

「海人は甘えたがりだしねー、筋肉マンのくせにー」

麻衣ちゃんにあっけなく暴露されて決まり悪そうな海人を肴にしたり。パワハラもセクハラも無縁な職場でほんとシアワセ。お酒も進む。




ようやくハルトさんが顔を出したのは、始まって二時間遅れ。

「おーやってるなー」

ちょっと夜の街にいそうな雰囲気のお兄さんで、聞いてもはぐらかされるんだけど歳は32とかそのくらい?

「ハルトぉ、帰りは送ってねぇっ」

由里子さんが上機嫌でハイボールをおかわりしてる。

「ハイハイ。紀子の誕生日だって聞いたのに、ユリ(ねぇ)が一番盛り上がってんじゃねーの?」

海人の隣りに腰を下ろしたハルトさんが肩を竦めてから、あたしに片目を瞑った。

「オメデト、紀子。今度メシでも食いに行こっか」

「ほんとですか~?ありがとーございまーすっ」

「紀子サマだけずるいー」

「ハイハイ麻衣もな」

アッシュブラウンの前髪を無造作に掻き上げる仕草が男の色気たっぷりで。麻衣ちゃんの瞳がうっかり蕩けてるのは見なかったことにしよう、彼氏のコタロウ君のために。