1時間くらいしてほろ酔い組とテンション変わらない組に分かれてきた頃に、海人が合流する。

「海人クン、待ってたわよ~っ」

「すいません、お疲れ様です」

立ったまま由里子さんに律儀な挨拶してから、あたしに向かって頭を掻きながら少し照れたように笑う海人。

「誕生日おめでとうございます、紀子さん」

「うん、ありがとっ。ホラ座って、座って?」

麻衣ちゃんの隣りのイスを引いた海人の分のビールをオーダーして、二度目の乾杯。海人とマキノさんは初対面だったけど、由里子さんが名前だけ紹介して後はざっくばらんに。

「海人はさ、仕事どうなのよー?もしかして彼女できたりー?」

けっこう飲んでるのに顔色ひとつ変わってない麻衣ちゃんが、あたしをチラ見してから容赦なくツッコんだ。