僕はため息をついた。悪か。悪の子供はどう生きていったら良いのだろう。
「悲しそうな顔をするな。君には未来があるよ。こうしてあったのも何かの縁だ。明日、君の事について小説を書くから、学校が終わったら、合う事にしよう」
「太宰さん、でも僕は何時までこの世にいられるか解りません」
「この世に?君は死ぬつもりなのか?駄目だ。学生は未来の事を考えていればいいんだよ。僕だって今はこんなだけれど、学生の頃は夢を見ていた時代もあったんだ」
「いや。そういう意味ではないんです。でも死について考える時もありますね」
「悲しい事を言うね」
「太宰さんはないんですか?」
「君、君、僕は小説家で成功したいんだぞ。人の心を揺さぶる小説を一つでも多く書きたいんだ」
僕はそれを聞くとなんだか安心した。

「ところで君、若いんだからタイムスリップって知っているか?」
タイプスリップ?この時代でもそんな言葉あったのか。
「この前夢を見ていたらね、神様がでてきてタイプスリップをしろと言うんだ。僕は間違えてこの時代に生まれたらしい。玉川上水に飛び込めっていうんだよ。どうだい信じるかい?」