「さ、結菜ちゃん帰るよ」


 一輝くんはそう言って、ベンチから立ち上がった。


「あっ、一輝くん、逃げたっ」


 私は一輝くんにそう言うと、一輝くんに続いてベンチから立ち上がった。


「別に逃げてなんかないよ」


 またまたイジワルな笑みを浮かべた一輝くん。