「リン…」
プレゼン本番に臨むため、図書室に入ろうとする時もそうだった。
何か言っておきたいんだ…いつのまにか彼の気持ちが手に取るように分かるようになっていた私は、プレゼンの資料をぎっしり詰めたファイルを胸に抱えたまま足を止めた。振り返ると、妙に肩の力が抜けた顔が微笑んでいた。
「結局、最後までおんぶに抱っこでここまで来た」
「……」
「今まで迷惑かけてすまなかった。お前に怒られて、こいつだけは裏切れないって思った。こんな俺に本気で向き合ってくれた奴に応えたいって思ってやってきたんだ」
「……」
「お前と組んでなかったら、ここまで来られなかった。自信なんて全然ないけど、どんな結果になっても精一杯やろう」
言い終わる前に背を向けてしまった。バカ、ここでそんなことを言われたら泣いてしまうじゃないか…目の前にある図書室の扉をじっと見つめながら言った。
「何言っているの?私たち、これからプレゼンするんだよ」
「そうだけど…」
「大丈夫。あれだけ練習したんだから、きっとうまくできる」
「でも、俺は…」
「やってきたよ。テンドウは、自分の力で大事なものを手に入れた。だから、自信もって」
そう言って、後ろを振り返ることなく図書室の扉を開けた。
私たちは本当に馬鹿だ。肝心な時に一つも期待に応えられないで、こんなどうでもいいことに情熱を注いで胸を一杯にしているのだから、救いようのない親不孝者だ。
プレゼン本番に臨むため、図書室に入ろうとする時もそうだった。
何か言っておきたいんだ…いつのまにか彼の気持ちが手に取るように分かるようになっていた私は、プレゼンの資料をぎっしり詰めたファイルを胸に抱えたまま足を止めた。振り返ると、妙に肩の力が抜けた顔が微笑んでいた。
「結局、最後までおんぶに抱っこでここまで来た」
「……」
「今まで迷惑かけてすまなかった。お前に怒られて、こいつだけは裏切れないって思った。こんな俺に本気で向き合ってくれた奴に応えたいって思ってやってきたんだ」
「……」
「お前と組んでなかったら、ここまで来られなかった。自信なんて全然ないけど、どんな結果になっても精一杯やろう」
言い終わる前に背を向けてしまった。バカ、ここでそんなことを言われたら泣いてしまうじゃないか…目の前にある図書室の扉をじっと見つめながら言った。
「何言っているの?私たち、これからプレゼンするんだよ」
「そうだけど…」
「大丈夫。あれだけ練習したんだから、きっとうまくできる」
「でも、俺は…」
「やってきたよ。テンドウは、自分の力で大事なものを手に入れた。だから、自信もって」
そう言って、後ろを振り返ることなく図書室の扉を開けた。
私たちは本当に馬鹿だ。肝心な時に一つも期待に応えられないで、こんなどうでもいいことに情熱を注いで胸を一杯にしているのだから、救いようのない親不孝者だ。