修理済みの眼鏡を先輩に渡せなかったからとおじいちゃんに託し私は部屋に行った

もう、こんなしんどいのやだ……

長い1週間だった




次の日から日常に戻った

友達は相変わらず朝は先輩の話をする

校内で先輩に会っても私は目を反らせた

先輩も声はかけてこなかった

でも、眼鏡が治った後も茶色の眼鏡をかけていることを友達の話しで知っていた

フチなしの眼鏡を気に入ってるって言ってたのに何でなんだろうと少し思ったが空き教室に行く気にはなれなかった







どんどん月日は経っていき卒業式の日を迎えた

先輩がどこの大学に行くかも知らないし、連絡先もしらない


先輩に卒業の言葉もかけず家に戻ってきた

夕方、おじいちゃんが家にやってきた

「百華、ちょっと店番を、頼む」

「うん、いいよ」

「レジの所にお前が店でかける眼鏡を置いてるから今日から使うといい」

「あっ、うんわかった」

私もたまに店の留守番をすることがある

その時はダテ眼鏡をかけるようにしているが今まではブルーの細いフレームの眼鏡をかけていた

店に降りてレジの所を見ると薄い茶色の眼鏡が置いてあった

やだな……

先輩を、思い出すじゃん

今日の卒業式、卒業生が歩く中背の高い先輩は目立っていた

みんなに囲まれている姿もみた

やっぱり人気者だなーと自然に目で追っていた