春休みに入ると私は塾、先輩はバイトでまた中々会うことが出来なくなってきた
2年生に進級した
新しいクラスだけど、仲のいい友達は進学を決めていた為、同じクラスになった
「ねー、聞いて聞いて、朝かっこいい男子見たの、ウチの高校の制服だった、1年生かなー」
「うん、背高かったよね、堤先輩くらいあった」
久しぶりに先輩の名前を聞いた
「あっ」
友達が入り口を見て小さく声をあげた
「朝の子……」
みんなが入り口を見た
誰?
あんな子いたっけ
高身長でイケメン男子なんて絶対目立つ
編入生?
あちこちから声が聞こえた
始業のチャイムが鳴りみんなが席に着く
自己紹介をしていくと高身長の彼は堤永和(つつみとわ)と名乗った
先輩と同じ名字でトワなんて先輩の名前みたい
永遠(かなた)と読む方が珍しいわけだし
初日が終わり鞄を持つと堤くんがこっちに向かってくる
えっ、何、何……
「百華?」
「えっと……はい」
「ふーん、お前か、兄貴の女は」
みんなが振り向いた
「えっ、ちょっと百華、どういう事?」
友達が寄ってくる
「堤くんは……」
「そうだよ、堤永遠の弟」
「帰ってきてたの?」
「何だよ、兄貴から聞いてないのかよ、百華って本当に兄貴の彼女なわけ?」