【響。うちらもダルいから早退しちゃった。今どこにいる?】

ポケットで鳴ったスマホを確認すると、友達からメッセージが送られてきた。

朝からやり取りはしていたので、学校をサボったことはすでに伝えていた。当てもなく降りて、立ち寄っただけの公園なので場所がわからない。


【指定してくれたら、私がそっちに行くよ】

そう返信をしたあと、お弁当を包み直して腰を上げた。

待ち合わせはアミューズメントパークの一角にあるカラオケ店だった。

「あ、響が来た!」

指定されていた大部屋に入ると、そこにはいつもの友達たちの他に男子が数人いた。制服は遊び人が多いことで有名な男子校のものだ。

「お、めっちゃ可愛い! ここ座りな」

「お前だけずりーよ! 俺の隣もあいてるからこっちに来なよ」

そんなやり取りに私は呆然とドアの前で立ち尽くす。……男の子がいるなんて聞いてない。

「ごめんね。でも大勢のほうが楽しいし別にいいよね?」

友達からの言葉に、よくないとは言えずに私も席に着くことになった。

元々顔見知りだったのか、あるいは私が到着する前に自己紹介を済ませたのか、すでに親しげな雰囲気が漂っていた。