「病気のことは仲良くしてるやつらにはほとんど言ってないし、明るくいても心の中じゃ暗い時だってあった」

「………」

「病気のことを受け入れて覚悟だってもってたけど、本当は怖さだけは消えてなかった」

彼が見て見ないふりをしてきた弱さがそこにある。

「怖かったんだよ、ずっと。誰にも言えなかった。響にも言わなかった。自分が明日にはいないかもしれないって思うと、夜も眠れない」

私はその言葉ごと包むように、旭のことを抱きしめた。彼の肩が小刻みに震えている。

「泣いて、泣いて、泣いたらいいよ。もうお互いに強がったりするのはやめよう」

何度も頷く旭のことを、もっともっと抱きしめる。